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シリーズ再発防止策あるある(2):うまくいかなかった原因を人のせいにしている

 インシデントやトラブルが発生すると、現場の管理者や管理部門の責任者がしかるべき人に報告をします。その時に多いのが、管理者として何が不足していたかの言及がなく、原因を人のせいにしているケースです。

ケース1 セキュリティインシデント
・宛先を間違えてよく似た名前の人に送った。
・送ってはいけないファイルを送った。(Excelで非表示になっているのを気付かず送ったという事例も多い)
・㏄に他の人には知らせてはいけないメールアドレスを指定した。
等々、メールの誤送信にはいろんなものがあります。
 こうしたセキュリティインシデント後の報告の原因記載で多いのが、「担当者のセキュリティに対する意識が希薄」のように当事者の問題として片付けてしまっているケースです。
 果たして社員に対するセキュリティ教育(ルールの周知徹底)は十分だったでしょうか。誤送信防止のためのセキュリティソフト導入に向けた検討は適切に実施されていたでしょうか。
 対策はそれほど大きくは違わないかもしれませんが、「担当者のセキュリティ意識向上への取組みが不十分であった」と、管理者自身の問題として原因を記載すると、その後の問題解決に向けた気構えは大きく違ってくるはずです。

ケース2 プロジェクトの遅延
 大きなシステム開発のプロジェクトでは、協力会社のSEの支援を受けて開発作業を進めることが一般的です。
 スケジュール遅延が顕在化したときによく耳にするのが、「アサインした要員のスキル不足」です。このように遅延の責任を他人に転嫁していると、再発防止を検討するステップにも進めず「仕方ない」で終わってしまいがちです。
 プロジェクトに必要なスキルの分析は適切だったのでしょうか。どうしてスキル不足の人をアサインしたのでしょうか。管理者として、そういった根本の原因を考える習慣を身につけ、次の行動に移せるようにすることが大切です。

<まとめ>
 人は何かうまくいかないことがあると、無意識のうちに原因を他人に求めがちがちです。間違っているわけではないので、そのまま通ってしまうことも多いかもしれません。何らかのトラブルが発生した時は、あらためて管理者としてどうだったのかが語られているかをチェックして欲しいと思います。その後の改善(目標達成)のスピードは大きく違ってくると確信しています。

2018-10-09