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ATM待ち時間について考える |
年末ともなるとATMに長い列ができることがあります。特に「ごと日」とよばれる特定日や給与・賞与の支給日はその傾向が強くなります。ひどい時には店内には収まりきらず、道まで列が伸びていることがあります。
「引出し」と「振込み」では、振込みの方が入力項目が多く時間もかかります。例えば、振込先口座番号以外にも、メッセージなど振込み特有の任意入力項目があります。以前、ATMから某協会に手数料を振込もうとした時に、該当口座がないと表示され、正しく入力し終えるまで時間がかかってしまった経験もあります。五十音順で表示された店名からよく似た別の店舗を選択していたのが原因でした。
少ないATMを、振込みをする人が占有すると待ち時間はさらに長くなります。これを改善するには、振込み操作に要する時間を短くするのが有効と思われます。
イギリスで使われているSort Code(ソートコード)を日本でも普及させてはどうでしょうか。Sort Code(ソートコード)は、イギリスの銀行の全本支店に付与された6ケタのコードで、他国では別の名前で呼ばれていたりします。日本で使われている金融機関コードと店舗コードをくっつけたものと考えて頂ければ結構です。「Sort Code(ソートコード)」の名前で日本に定着するかどうか分かりませんが、便宜的にSort Code(ソートコード)で話を進めます。
日本の銀行のATMでは、振込みの場合、「金融機関の種類選択画面」、「金融機関特定画面」、「店舗選択画面」の順で画面が遷移します。この入力を不要とする代わりに、メニューで「振込み」が選択されたら、Sort Code(ソートコード)を入力する画面を表示するようにします。Sort Code(ソートコード)が分からない場合への対応として、従来どおり銀行店舗名からも選べる仕組みを用意しておくとよいでしょう。
日本でSort Code(ソートコード)が採用されなかった理由は何なのでしょうか。口座番号がさらに6桁ほど長くなることを嫌ったのでしょうか。開発コスト、あらためて周知するコスト、振込みを受ける側からの反発リスク等を考えてみましたが、どれも決定的な理由ではない気がします。今なら定期的に頻繁に振込みをする人のために「振込カード」を用意して、待ち時間の短縮に努めていると言われるかもしれません。
Sort Code(ソートコード)に抵抗があるとすれば、今となってはハード・ソフト共に作り込みすぎたというところでしょうか。最近では会社や自宅のパソコン・スマホから振込みできるサービスも提供されているので、ATMの行列問題はいずれなくなるという判断もあるかもしれません。
<英国の振込み事情>
イギリスではソースコードが分からないと送金できません。例えば、銀行の担当者(A)と顧客(B)との間では次のようなやり取りが行われます。Sort Code(ソートコード)が、口座を特定する番号として社会に十分に浸透していることがお分かり頂けると思います。
A: Hello, Southland Bank. How can I help you?
B: Hello, I'd like to set up a standing order(自動振替)to pay my rent each month.
A: Certainly, sir. Can I take your account details?
B: Of course. The sort code of my account is 31-07-78. My account number is 61757275.
A: Thank you. Let me just bring up your details. OK, Mr ……
出典:オックスフォード大学出版の英語リスニング教材より
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2019-12-23
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